発売前に体験版をプレイし、「戦闘テンポが最高で買いだ」と絶賛した『ドラゴンクエストVII Reimagined』。
先日、最高難易度(いばらの道)で無事にエンディングまで駆け抜けた。
結論から言おう。
あの時の直感は間違っていなかった。
「最近のスクエニは信用できない」「どうせFF16みたいに体験版がピークなんでしょ?」と斜に構えている同世代のゲーマーにこそ伝えたい。本作は、最後までその期待を裏切らない「超・良リメイク」である。
約50時間の冒険を終えた今、体験版レビューの答え合わせも兼ねて、本作がいかに「現代の忙しい大人向け」に最適化されているか、率直な感想を書き記していく。
因みに、原作はクリアまで100時間近くかかるボリュームだったが、本作はその半分くらいでクリアできた。けれど、決してスカスカになっているということもなかったので、安心してほしい。
1. 最高難易度でも「爽快」。バフとテンポが噛み合った神戦闘
体験版で絶賛した「フィールドアタック」と「AI戦闘」の快適さは、後半になっても全く損なわれなかった。
特筆すべきは、「バフ(強化)を盛って殴る爽快感」だ。
今回は最高難易度でプレイしたため、ボス戦や後半の雑魚戦は「めいれいさせろ」での手動操作が必須だったが、かなり早い段階からバフによるダメージの伸びが大きく設定されている。

しっかり戦略を練ってバフ盛り盛りの攻撃を叩き込み、ボスのHPをごっそり削り取る瞬間は、脳汁が出るほど気持ちいい。
テンポの良さと戦略性が両立した、RPGとして理想的な戦闘バランスだった。
2. 「どこでも転職」と「ダブルジョブ」がもたらす育成の沼

今作のシステム面で最も高く評価したいのが、職業(ジョブ)システムの大幅な改良だ。
- 2つの職業を同時にセット可能になったことで、育成の幅と戦略性が劇的に広がった。
- 職業ランクの上がり方が、原作の「もっさり感」から一転、かなりサクサクと上がるように調整されており、キャラクターがぐんぐん成長していく楽しさを常に味わえる。
- 極めつけは「いつでもどこでも転職可能」になったこと。 原作では、ダンジョン攻略中に職業をマスターしてしまうと「ダーマ神殿に戻るのが面倒で、職業経験値が無駄になる」というジレンマがあったが、これが完全に解消されている。
3. 「種泥棒」への公式アンサー? キーファ関連の素晴らしい補完

ドラクエ7といえば、重いシナリオと、離脱するキーファ(通称:種泥棒)が語り草だ。
しかし今作は、キーファ関連のシナリオに程よい補完が追加されており、物語に深い厚みをもたらしていた。
そして笑ってしまったのが、今作はやたらと「種(ステータスアップアイテム)」が手に入ることだ。

宝箱や敵のドロップからかなりの頻度で種が落ちる。
これは間違いなく、長年「種泥棒」とネタにされてきたことに対する、開発側からの「今回は気にせず使っていいぞ」というメッセージだろう。
4. 賛否両論? 「小さなメダル」の現代的アプローチ

もう一つ、大きな変更点が「小さなメダル」の収集仕様だ。
これまでは「レミラーマ」を連打して怪しい場所を調べるのがお約束だったが、今作では「町やダンジョンごとの取得リスト(コンプリート状況)」が確認できるようになり、さらに落ちている場所が最初からキラキラ光っている。
「自力で探す楽しみが減った」というオールドファンの声もあるかもしれないが、個人的には大賛成だ。
大人は理不尽な宝探しで苦しみたいわけではない。
リストを埋めながらコツコツ貯めて、強力な装備と交換するプロセスを楽しみたいのだ。
この「過保護すぎない便利さ」は、時代に合った素晴らしい調整だと思う。
5. 唯一の不満点:UIの「コレジャナイ感」

手放しで褒めてきたが、1点だけ不満を挙げるなら「装備・アイテム周りのUI」だ。
アイコン表示が基本でスタイリッシュなのだが、新しく入手したアイテムのマークが分かりにくく「どれだっけ?」と探す手間が頻繁に発生した。
また、装備品に付いている「ダメージカット」などのパッシブ効果や、「誰が装備できるのか」がパッと見で直感的に分かりづらい。
(ソート機能を使いこなせていなかっただけかもしれないが)。
ここだけは、もう少しクラシックな「分かりやすさ」を残してほしかった。
総評:HD-2Dが合わなかった人にも勧めたい、夢中で遊べる名作
UIへの細かな不満はあるものの、総じてプレイフィールは極めて快適で、ラスボスまで一気に駆け抜けるほど夢中になれた。
『DQ1&2リメイク』などのHD-2Dグラフィックが少し肌に合わなかったという人でも、本作の美麗かつ温かみのある3Dグラフィックならすんなり入り込めるはずだ。
キャラクターたちの目線や細かな反応など、イベントシーンや何気ない会話シーンの丁寧な演技も没入感を高めてくれる。
繰り返すが、体験版がピークのゲームではない。
最近のスクエニタイトルに警戒心を抱いているゲーマーにこそ、安心して手に取ってほしい1本だ。
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