1. はじめに:手法ではなく「マインド」のメンテナンス
私がこの本『サイコロジー・オブ・マネー』を手に取ったのは、一発逆転の「新しい投資手法」を知りたかったからではありません。
また、投資がうまくいかずに悩んでいたわけでもありません。
私はこれまで、インデックス投資や家計改善を淡々と続けてきました。
頭では「正解」をわかっていますし、実践もできているつもりです。
しかし、これから先10年、20年とお金と付き合い続ける中で、「わかっていても、心が揺らぐ瞬間」は必ずやってきます。
その時に備えて、今の知識をアップデートし、「資産形成を続けるためのマインドセット」を強固にしておきたい。
そんな、いわば「心のメンテナンス」のためにこの本を読みました。
読み終えて感じたのは、これは単なる投資本ではないということです。
「人間とお金との距離感」を説いた、人生の指南書でした。
今回は、本書から得られた、私たちが資本主義社会を生き抜くための「3つの真理」をシェアします。
2. 真理①:金持ちであり続けるために必要なのは「臆病さ」
資産を増やす唯一確実な方法は「複利」を味方につけることです。
そのためには、市場から退場せず、とにかく長く続けることが絶対条件になります。
著者はこう言います。
「金持ちになることと、金持ちであり続けることは別物だ」
金持ちになるには「楽観的」である必要があります。
「これから伸びる!」と信じてリスクを取る必要があるからです。
しかし、ひとたび得た資産を守り、金持ちであり続けるには、逆に「臆病さ(危機感)」が必要になります。
「稼げたのは自分の実力ではなく、運が良かっただけかもしれない」 「明日、すべてがなくなるかもしれない」
この「決して調子に乗らない慎重さ」だけが、破産を防ぎ、複利の魔法が効くまでの長い時間を稼いでくれます。
私が普段ブログで書いている「ジャスト・キープ・バイイング(ただ買い続ける)」という戦略は、退屈で地味です。
しかし、この本を読んで「生き残ること(サバイバル)」さえできれば、あとは時間が勝手に仕事をしてくれるという確信を、改めて強く持つことができました。
▼淡々と市場に居座り続ける。私の投資状況はこちら
3. 真理②:貯金の方程式は「収入 - エゴ」

次に、資産の「種銭」を作るための考え方です。
著者は非常にシンプルかつ残酷な「公式」を提示しています。
「貯金とは、収入からエゴ(見栄)を引いた残りである」
お金を貯めようとする時、私たちはつい「もっと収入を増やさなきゃ」と考えがちです。
しかし、収入が増えてもお金が貯まらない人は山ほどいます。
なぜか?
それは、「他人に金持ちだと思われたい」という欲望(エゴ)まで一緒に増えてしまうからです。
高級車、ブランド服、身の丈に合わない家…。
これらは「私を見て!」という承認欲求のコストです。
私がこのブログで発信してきた「生活改善」や「節約」も、突き詰めればこの「エゴのコントロール」でした。
「他人からどう見られるか」という見栄さえ捨ててしまえば、収入が今のままでも、驚くほどお金は手元に残ります。
「我慢」ではなく「見栄を捨てる」。
これが貯蓄の正解でした。
▼「私が実践してきた節約術は、まさにこの『エゴの断捨離』でした。」
4. 真理③:お金が配当してくれる最高の贅沢は「自由」
最後にして最大の問い。
「そもそも、見栄を捨ててまでお金を貯めて、どうするの?」という点について。
これについても、著者は明確な答えを出しています。
私たちが資産形成をする本当の目的。
それは、高級品を買うためではなく、「人生の主導権」を取り戻すためです。
「お金が人間に与えてくれる最大の配当は、『自由』だ」
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好きな時に起きる。
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好きな仕事をする。
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好きな人と過ごす。
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嫌なことは「NO」と言える。
この「自分の時間をコントロールできる権利」こそが、お金がもたらす最高の価値です。
私も、まさにこれが欲しくて資産形成をしています。
通帳の数字を増やすことが目的ではありません。
その数字の向こうにある「選択の自由」や「家族との穏やかな時間」を守るために、私は今日も淡々と積立を続けているのです。
5. まとめ:手元に置いておきたい「相談役」
この本には、明日の株価を予測するチャートも、儲かる銘柄リストも載っていません。
しかし、「これから数十年、どうやってお金と付き合い、何のために生きるのか」という、人生の土台を強固にしてくれる一冊です。
発売から時間は経っていますが、一回読んで終わりの本ではありません。
これから先、相場が暴落して不安になった時や、逆にお金を持って気が大きくなりそうな時。
この本を読み返せば、いつでも「正しいマインド(原点)」に引き戻してくれます。
迷った時の「相談役」として、本棚の手の届く場所に置いておきたい一冊です。