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【レビュー】『グランディア』Steam版 - 色褪せない魅力と現代から見た課題(70点)

1.あの頃の熱狂、再び - 四半世紀を超えて

現在、2025年4月末。セガサターンで『グランディア』が発売された1997年から、実に28年もの歳月が流れました。当時、有力なRPGが少なかったセガサターンユーザーにとって、『真・女神転生デビルサマナー』や『ソウルハッカーズ』と並び、『グランディア』の登場はまさに恵みの雨のようでした。私もそんなRPGファンの一人で、発売日に本作を手にした時の興奮は、今でも鮮明に覚えています。

そして今、Steamにて2,200円程度という手頃な価格で、この思い出深い名作と再会を果たしました。プレイを始めると、あの頃の熱狂が色鮮やかに蘇ってきたのです。今回は、セガサターン版への熱い想いを胸に抱きつつ、この不朽の名作RPGを改めてレビューしたいと思います。

2.『グランディア』とは - 未知の世界へ!冒険のワクワクが詰まったRPG

『グランディア』は、好奇心旺盛な少年「ジャスティン」を主人公とするRPGです。物語は、彼が住む港町パームで、古代文明の謎を秘めた「精霊石」と呼ばれる不思議な遺物を発見することから動き出します。この精霊石に導かれるように、ジャスティンはまだ見ぬ世界への憧れを募らせ、世界の果てにあるという伝説の「壁」の向こう側を目指し、壮大な冒険の旅へと出発します。

本作最大の魅力は、まさにこの**「冒険」そのもの**にあります。世界各地に広がる変化に富んだ風景、そこで出会う個性豊かな人々、そして待ち受ける数々の謎や驚き。プレイヤーはジャスティンと共に、広大な世界を自らの足で踏破していく、あの胸躍る高揚感を存分に味わうことができます。

戦闘システムもまた、この冒険を彩る重要な要素です。「IP(イニシアティブポイント)ゲージ」を用いた独自のシステムは、敵味方の行動順を常に意識し、戦略を練る面白さを提供してくれます。単なる作業になりがちな戦闘も、本作では冒険の一部として楽しめる工夫が凝らされています。新たな土地で習得する強力な必殺技や魔法は、冒険を有利に進めるための鍵となり、成長の実感を与えてくれます。

『グランディア』は、未知の世界を探求する喜びと、そこで繰り広げられる少年少女の熱いドラマが融合した、まさしく冒険活劇と呼ぶにふさわしい名作RPGなのです。

3.プレイ感想:良かった点 - 色褪せない戦略性と冒険を彩る要素

Steam版『グランディア』を、サブイベントなども含め、ほぼ全ての要素をクリアするまでプレイしたところ、プレイ時間は約50時間でした。この時間を通して、私は改めて『グランディア』の持つ魅力に強く引き込まれました。

特に印象深かったのは、やはり戦闘の面白さです。敵の行動ゲージ(IPゲージ)を見ながら、いかに相手の行動をキャンセルさせ、こちらのペースに持ち込むか。この戦略性は、単なるコマンド選択に留まらない奥深さを与えてくれます。

また、戦闘後、キャラクターが行った行動(通常攻撃、魔法、必殺技など)の種類に応じて経験値が入り、武器や魔法のレベルが上がっていく成長システムもユニークです。戦闘中の行動がキャラクターの成長に直結するため、様々な戦術を試すこと自体が育成の楽しみにも繋がっていました。

ダンジョンの長さが程よい点も、今回改めてプレイして感じた美点です。長すぎず短すぎない絶妙なバランスで、探索の満足感を得つつも、物語の良いテンポを損ないません。

そして、町にいるNPCたちの会話が非常に豊富なことも、このゲームの大きな魅力です。一人ひとりに生活感や個性があり、彼らの話に耳を傾けるだけでも、ゲームの世界観に深く没入することができます。世界観をじっくり味わいたいプレイヤーにとっては、たまらない要素でしょう。

4.プレイ感想:気になった点 - 現代の視点で見ると惜しい部分も

もちろん、発売から長い年月が経っていることもあり、現代のゲームに慣れた視点で見ると、いくつか気になる点もありました。

まず、ダンジョンや町にミニマップが存在しないことです。そのため、特に構造が入り組んだ場所では、現在地や進むべき方向を把握するのに少し苦労する場面がありました。これは探索のストレスに繋がる可能性もあると感じます。

次に、キャラクターの成長システムに関連する問題点です。このゲームでは「素早さ」が行動回数に直結する重要な要素なのですが、序盤からいるキャラクターは戦闘回数を重ねることで自然と素早さが成長していきます。一方、物語の後半に仲間になるキャラクターは、初期レベルが高くても素早さが十分に育っておらず、なかなか行動順が回ってきません。結果として、活躍させづらいという印象を受けました。育成のためには意識的に戦闘に出す必要がありますが、その手間がかかるのが少し難点です。

そして、これは個人的な感想の域を出ませんが、今改めてプレイすると、ストーリーにやや古さを感じてしまう部分がありました。もちろん、当時のRPGとしては標準的な王道展開だったのかもしれません。しかし、様々な物語に触れてきた現代の視点で見ると、展開の意外性やセリフ回しなどにもう少し深みが欲しかったと感じる場面もありました(もしかしたら、単に私が大人になっただけなのかもしれませんが…)。

5.おすすめする人・まとめ - 今、改めて『グランディア』を体験する価値

とはいえ、これらの気になる点は、ゲームの根幹にある「冒険の楽しさ」を大きく損なうものではありません。むしろ、当時のゲームならではの雰囲気や、開発者たちの情熱を感じさせる要素として受け取ることもできるでしょう。

『グランディア』は、以下のような方に特におすすめしたい作品です。

  • かつてセガサターンでプレイし、懐かしい気持ちに浸りたい方
  • 王道の少年少女冒険物語が好きな方
  • 戦略的で歯ごたえのあるバトルシステムを楽しみたい方
  • レトロゲーム特有の温かいグラフィックや雰囲気が好きな方
  • Steamで手頃な価格で、じっくり長く遊べるRPGを探している方

まとめとして、『グランディア』は、古き良き時代のJRPGの魅力を色濃く今に伝える、色褪せない名作です。現代のゲームと比較すれば、グラフィックの粗さや操作性、ストーリー展開に古さを感じる部分もあるかもしれません。それでも、『グランディア』が持つ、未知の世界へ踏み出す冒険のワクワク感、試行錯誤が楽しい戦略的な戦闘、そして愛すべき個性豊かなキャラクターたちの魅力は、決して色褪せることなく、今なお多くのプレイヤーを惹きつける力を持っていると、今回再確認できました。これらの点を総合的に評価し、個人的には100点満点中70点としたいと思います。

Steamで手軽にプレイできるこの機会に、ぜひジャスティンたちの心躍る冒険の旅に、あなたも出発してみてはいかがでしょうか。

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