1.はじめに:サブスクは見直すだけでは意味がない
以前の記事で、サブスクの見直し方を解説しました。しかし、ただ見直すだけでは意味がありません。実際に「解約」という行動に移してこそ、家計は改善します。
今回はその実践編として、私が現在も必要と判断して契約し続けているサービスと、不要と判断して容赦なく切り捨てたサービスを、その理由と合わせて正直に語りたいと思います。あなたのサブスク見直しの具体的な判断材料になれば幸いです。
2.現在、私が契約中のサブスク - 「やめ時」が見えているか?
私が数々のサブスクを断捨離した結果、今も手元に残っているのは、以下の2つだけです。 これらに共通しているのは、明確な「やめ時」、つまり出口戦略が見えているという点です。
① 見守りGPS「BoTトーク」(月額748円)
これは子供の見守り用GPSサービスです。月々748円で、子供の正確な位置情報が把握でき、さらにはメッセージの送受信も可能。これは「安心」への投資であり、私にとっては必要経費です。 そして最も重要なのが、「子供がスマホを持つまで」という明確な利用期限があること。終わりが見えているからこそ、安心して契約を継続できます。
② NHK(月額1,100円)
正直に言って、これはやむを得ず払い続けている「コスト」と言った方が正しいかもしれません。 子供が小さい頃は教育テレビを見ていたのでまだ価値がありましたが、最近は家族の誰もほとんど見ていません。他の動画配信サービスと比較すると、コンテンツの魅力に対して価格が圧倒的に割高だと感じています。 これも、「今のテレビが壊れるまで」という、物理的な終わりが見えているからこそ、現状維持を許容しているに過ぎません。
3.容赦なく切り捨てたサブスクと、投資するサブスク
次に、過去に契約していたものの、「コストに見合わない」と判断して解約したサービスと、逆に「未来への投資」として契約を検討すべきサービスについてです。
① Netflix(ネットフリックス)
解約した一番の理由は、やはり「月額料金を払ってまで見たいものがない」ということです。
もちろん、Netflixにはもっと安い月額890円の「広告つきスタンダード」プランがあります。実はこのプランも試したことがあるのですが、正直なところ、CMは思った以上に少なく、快適に視聴できたので、そこは好印象でした。なので、もし今後、どうしても見たい作品が出てきて再契約するとしても、選ぶのはこのプラン一択です。
しかし、それでもやはり「見たいものがない」という根本的な問題は変わりません。月額890円であっても、価値を感じないものにお金を払い続けるのは無駄です。見たい作品が配信されているその月だけ契約し、見終わったら即解約する。このスタイルが最適解であることに変わりはありません。
② Amazonプライム
多くの人が「入ってて当たり前」と思っているであろう、月額600円のAmazonプライム。私も長年契約していましたが、冷静にその価値を判断し、解約しました。理由は3つあります。
- 理由1:プライムビデオが不要
これはNetflixと同じです。見るものがありません。 - 理由2:Amazonという場の劣化
かつては便利な通販サイトでしたが、ご存知の通り、最近のAmazonはひどい。 怪しげな中華製品、いわゆる「令和最新式」や「サクラレビュー」が溢れかえり、まともな商品を探し出すのが困難な魔境と化してしまいました。使い慣れたUIは魅力ですが、商品を探すストレスが、その利便性を上回ってしまったのです。 - 理由3:「お急ぎ便」は、実はそんなに必要ない
「配送料無料」「配送が早い」というメリットも、よく考えれば私には不要でした。そもそも頻繁に買い物をするわけでもないし、ほとんどの物は翌日に届けてもらう必要がありません。 そして、本当に急ぎで必要なものがあれば、「ヨドバシエクストリーム便」を使えばいい。あちらは会員費無料で、商品一つからでも驚くほどの速さで届けてくれる。 もはやAmazonプライムを維持する理由が見当たりませんでした。とはいえ、Amazonも時々「1ヶ月無料体験」のようなキャンペーンをやっています。どうしてもプライム特典が必要な時が来たら、その時だけ利用させてもらうのはアリです。もちろん、無料期間が終わる前に解約手続きをするのを忘れない、という強い意志がある場合に限りますが。
③ 【番外編】未来への投資としての「AIサブスク」
これまで紹介してきたのは、主に娯楽や生活の利便性、つまり「消費」のためのサブスクでした。しかし、中には明確な「自己投資」として契約を検討すべきサブスクも存在します。
それが、生成AIの有料プランです。
今や、Gemini AdvancedやChatGPT Plusといった高性能なAIは、月々数千円のコストで利用できます。
一見、安くない金額に見えるかもしれません。しかし、これらのAIを使いこなせば、情報収集や文章作成、アイデア出しといった作業の時間を劇的に短縮できます。
これは、いわば「自分の時間を買う」ようなもの。浮いた時間で副業をしたり、スキルアップのための勉強をしたりと、月額料金以上のリターンを生み出すことも十分に可能です。
全てのサブスクを「消費」と捉えるのではなく、一部をこうした「未来への投資」に振り分ける。これも、これからの時代を賢く生き抜くための一つの考え方だと私は思います。
4.まとめ:あなたのサブスク、本当に全部必要ですか?
今回ご紹介した通り、私が契約しているサブスクの数は、節約と生活費の肥大化を避けるため、意図的にかなり少なく抑えています。
この記事を読んでいる方の中には、おそらく私よりもずっと多くのサービスを契約している方もおられるでしょう。もちろん、その一つひとつがご自身の価値観に合ったもので、生活を豊かにしてくれているなら、何の問題もありません。
しかし、もし「いつか使うかも」という理由で、思考停止で契約を続けているサービスがあるのなら、今一度立ち止まって考えてみてほしいのです。 そのサブスクは、本当にあなたの生活に必要不可欠で、その月額料金に見合う価値を提供してくれていますか?
私がサブスクを見直す上でたどり着いた結論は、「サブスクは『所有』するものではなく、必要な時にだけ利用する『サービス』である」という、至極当たり前の事実です。
不要なサブスクを容赦なく見直し、そこで浮いたお金を、こうした自己投資や、本当に価値のあるサービスに振り分けていく。これこそが、これからの時代を賢く生き抜くための、一つの答えなのだと私は考えています。